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眠れぬ夜のホンキートンクブルース 第二章~飛躍~

DVD鑑賞。

 

前回から一年後のホンキートンク

ジョジョメン5、一部役者さんが変わっていて、ノンノが鳥越祐貴くん、麟太郎が碕理人くんでした。

ノンノがおたくであることが発覚する今回。鳥越くんちょこまかしてて忙しなくて、明るいおたく感がとても良い。

義宗は東北弁全開で、絶妙に面白いキャラになってた。相変わらずダンスはかっこいい。

同じく、女の子大好き道を貫くえろい俊平や目がきらきらの翔大好きな流星。

 

十周年を迎えるホンキートンク

ホストたち全員、すっかりわきあいあいとした雰囲気になっていて、翔がのびのびとビジネスSやってるのをこっちも安心して見てられる。

つか、翔に肩抱かれて真正面からあの距離で見つめられて「惚れるよ」って言われて、真顔で見つめ合えるあの女の子すごい。演技し続けられるのすごい。

(幻の城で、星野さんが「綺麗すぎて(拡樹くんの)顔が見られない」って仰ってたの思い出したよ。それに対して、目を合わせない方がいいんだろうなーと思ったから微妙に逸らしてる、って答えた拡樹くんにも、うごおおああああひろきすずきいいいい、て気分になったわ。なんだその気遣い! イケメンの気遣いなの。イケメンあるあるなんですか)

前回から続けて見ると、翔の表情の多彩さにのっけから幸せな気分になるね。

相変わらず、隙あらば政秀をお父さん呼びしようとしてデレデレしてるの可愛すぎか。

政秀にはたかれて、「初めて叩かれた-!」ってジョジョメン5とガッツポーズして、やっふーい! てソファに腰おろしてにやにやしてるのとか最高だよ。

安心して過ごせる場所を見つけたんだなーと微笑ましい気持ちになるオープニング。

 

今回の題材はものすごくヘビーだったはずなんだけど、この舞台があくまでも「手に汗にぎる、笑いです」に則って、シリアスとコメディが両手繋いでくるくる回って(割と高速回転)踊っていて、容易にシリアスに浸らせてくれない。

一瞬、このノリでいいのかなと思う場面がないわけではないけど、ここはこれでいいんだ! と楽しんだもの勝ちの舞台だと思います。

きっと生で観てたら、衝撃に胸を痛めるよりも大笑いしてる。

 

今回のキーパーソンは売れっ子声優、有働倫也(椎名鯛造)。

翔や流星と共に、ひまわりの家で育った仲間なんだけど、この子が本当に一癖も二癖もある人物だった。

人好きのする容姿に人懐こい性格で、相手の懐にするっと入って行くタイプ。

椎名鯛造くんが本当にそんなイメージだわ。(最遊記の鯛造くん思うと本当にかわいい。お猿で拡樹くん大好きで甘えっこな印象しかない。拡樹くんもここの舞台裏だとふわふわ度が増してる気がする)

ホンキートンクの面々もなんの疑いもなく倫也を受け入れるんだけど、初対面の段階で既に、翔や流星に対する倫也の言葉や態度の端々に不穏なものが見え隠れする。

ノンノは「神」有働倫也に会えてからはネジが飛んだらしくて、テンションがおかしくなって笑える。前回までは元引きこもりという設定しか出て来なかったけど、引きこもってる間におたくになったんだろうか。

同じくお店にお客として来ていた、おたくのキャバ嬢ののかちゃんと、倫也が主演するアニメゾディアックについて大いに盛り上がる。

受けだの攻めだのBLだのいう単語がぽんぽん出てきて、それらの言葉がいつの間に市民権を得たんだろうかと考えたり、それとも舞台観に来る人間ならそっちの造詣深い人が多いだろ、ということなのか。悩むところ。

しかし、同士を見つけた時のノンノのテンションの上がり方には覚えがあって、胸になにかが刺さる思い。

倫也が喋るのを耳を澄ませてただうっとりと聞いているノンノ。鳥越くんのお目目がきらきらしい。

「俺はただ神の声を聞いていたいんだ」

分かるよ。分かるよその気持ち。

たぶん目の前でひろきすずきが喋ってくれていたらその内容がどんなものであろうともひたすら聞き続けていたいだろうから。ノンノと固く握手したい。

 

倫也は経営難で潰れそうな、自分たちが育った施設「ひまわりの家」を助けたいと翔や流星に助けを求め、インターネットテレビで生中継して支援を訴える。

テレビに出る! と、ホストたちが分かりやすくうきうきそわそわしてるのが可愛いよ。根っこの素直な人たちが集うホストクラブ、ホンキートンク

ここの場面、舞台の中央に大きくスクリーンが出ていて、生中継の様子が映るようになっていて、ニコ生みたいに、見ている人のリアルタイムコメントが流れる仕様。

ものすごく今っぽいし、リアルだなあと。

こういうのありそう、って思わせてくれる演出。

政秀出たら「おじさんホストwww」て盛り上がって、太一出たら「さっきの人出して!!!」って速攻ブーイング。

翔や流星が出たら「かっこいいい!」て、テンションあがってるのとか。

場面が進むごとに次々流れるコメントをガン見したいけど、舞台も見たいから目が追いつかない。綺麗なコメントばっかりじゃないところもそれっぽい。

そして用意されていたサプライズ。

今回のお話のもうひとりのキーパーソン。

認知症を患った鶴見浜子(山田邦子)が登場し、彼女は翔の母親だと。

倫也は翔の母親を見つけてきて、番組内で感動の再会を果たさせた。

番組は大いに盛り上がり、ひまわりの家は多額の支援により危機を乗り越えたように見えた……。

 

今回はとにかく翔のお母さんへの想いが溢れていて、複雑な思いを抱えながら、どれだけ彼が母親を恋しく思っているのかが随所にちりばめられていて、もうね、できることなら翔のお母さんになってやりたいって何度思ったことか!!!

いや、本当になれるものならなりたかったですよ。

どうしてあんなひどい目に遭わされながら、それでも母親のことを恋しく、やさしい気持ちで思っていられるんだろうと不思議な気さえするほど、翔は突如現れた母親に一心に気持ちを注ぐ。

浜子を見つめる翔の目がきらきらして、同時に慈愛と憧憬に溢れていて、もうそれだけで胸が苦しい。誰かあの子を幸せにしてあげて。

お母さんを大切にする、やさしいやさしい、慈愛に満ちた、包み込むようなひろきすずきの笑顔がこれでもかというくらい見ることができます。自分の内に澱んだ黒いものが浄化されそうな笑顔だよ。つか、なにかしらは確実に浄化されたと思う。

 

けれど認知症の浜子をひとりで看る現実は厳しくて、翔はある日倒れてしまう。

この時、麟太郎がかっこよくてですね。

遅刻してきた翔が、お母さんに甘えているのかと政秀にからかわれても、にこにこ幸せそうにそーなんですよと受け入れる姿を見て、堪らず口を挟む。

自分のおじいちゃんも認知症だったから分かる。お母さんと会えて、ただふわふわ甘くて楽しい毎日じゃないんですよ、って。

前回も世界平和のためにホストになったとか珍妙なこと言って争い事は好まない麟太郎くんでしたが、誰かを助ける時に躊躇がない人ってかっこいいわ。

話を聞いて、ジョジョメン5たちが交代で浜子の面倒を見に行く。

取り巻きだのなんだのというより、彼らは本当に仲間なんだなと、この一年で深まったのであろう彼らの絆がさらっと垣間見えるシーン。

それぞれの個性がクローズアップされて、ここの浜子さんとジョジョメン5のやりとりはどれも好き。

俊平に対する「セクシャルハラスメント!」とか、ノンノがお尻叩かれて「なんのプレイなんだよ」とか、義宗が故郷を思い出して、自分の親と思って孝行すると決意するところとか。麟太郎はやっぱり慣れた風で、流星は翔によって間違った桃太郎の知識が植え付けられていたことを知る。小さな頃の翔が、茶目っ気のある少年だったんかなーとか、ちょっと微笑ましくなる。流星は素直だよね。

ホンキートンクの彼らは、誰もがやさしいところが素敵だなあと思う場面。

けれどそのやりとりの中で、流星は浜子が翔の母親には似ても似つかないことに気づいてしまう。

 

翔の表情を見ていたら、浜子さんは本当のお母さんじゃないんだろうなというのは分かるんだけど、それでも「お母さん」とやわらかい甘えた声で呼んで、自分ではない誰かを呼ぶ浜子に笑顔で答える翔の姿はいじましい。

自分の母親ではないと知りながら、それでも「お母さん」を大事にし続けた翔はなにを思っていたんだろうなあ。

自身の幼少期の話を他人事として浜子に語り、

「お母さんと一緒に暮らしたい」

と思わず呟く翔の顔は胸が痛すぎた。眠りにつく浜子を、赤ん坊を見守るような顔で見つめる翔。

そこにやって来る倫也。

自分もリアルお母さんごっこがしたいと無邪気な態でのたまって、留守を預かった倫也だが、翔の姿が消えると寝ている浜子を無理やり起こし、浜子をいたぶる。

この時の倫也が怖い。鯛造くん、裏のある役うまいな。

様子を見に戻って来て、止めに入った翔の負い目を容赦なく抉り、躊躇なく殴る蹴る。されるがままの翔。

しかし突如怒った浜子の叫び声に、倫也は頭を抱えて絶叫する。

 

同じ頃ネット上で、あの番組はお涙ちょうだいのヤラセだったのではないか、浜子と翔が似ていなさすぎる、倫也の売名行為ではと大バッシングが起き、一時は難を逃れたかに見えたひまわりの家への寄付金の返金騒動が起きる。

流星から事情を聞かされていた太一や政秀は、翔と浜子の間に血の繋がりがないことを確認。

翔や流星たちの家でもあるひまわりの家存続のため、再度、ホンキートンクで倫也の生番組を行うことを提案する。

 

そしてやって来た二度目の生番組。

映し出される画面には、倫也を罵倒する言葉がひっきりなしに流れる。

ここからはもう、ずっと笑ってた。

バッシングされまくってやさぐれ気味の倫也。自虐ネタ満載で番組スタート。

そして始まるゾディアックコスプレショー。

翔さんがゾディアックの主人公、無気力キャラワタルを熱演。

すごい。そこはかとなくダサイはずなのに、かっこよく見える翔。すごい。

もうなんでもありだなこの舞台。

ホンキートンクプレゼンツ、超世紀ゾディアック アナザーワールド

ワタルとその仲間たちがゾディアックワールドを熱演。

「ちっこくぅ~♪ セーフ!」

の棒加減が癖になるwww

思わず草生やしてしまうくらいには癖になる。

めちゃ楽しいけど、この珍妙な茶番劇一体どこに向かう気だと、色んな意味でどきどきし始めたところで本題が始まる。

ワタルを捨てた母親役に浜子を当て嵌め、お母さんにも事情があったんだよね、とワタルが母親を許すお涙頂戴展開。

(この時の翔の棒演技が逆にうまくて笑える。劇中劇ってことだもんね。翔たち、ホストなのによくぞここまで頑張ったよ…。ノンノのナレーション上手)

 

この流れに倫也が激怒(そりゃそーだ)。

自分こそが浜子の本当の息子だとカミングアウト。

母親に虐待を受けていたこと。そんなに簡単に許せるはずもないこと。

昔、翔から受けた屈辱を忘れられず、翔に対しても憎しみの気持ちを募らせ、母親の虐待によって痛めた足も翔のせいだと嘘をついて負い目を与え続けた。

翔に母親を押しつけることで、両者に復讐しようとしたという倫也に、翔はそれなら自分が「お母さん」を貰うと手を挙げる。

嘘でも構わない。

倫也を煽るためと言いながら、あれは翔の本心だったんだろうな。

翔の挙手に、周囲も次々とならば自分もお母さん貰う! と手を挙げ始める。

「今こそホームヘルパーの資格を生かすとき!」の麟太郎が愛しい(笑

この畳みかけるような挙手の嵐。まさか、まさかとは思っていたけれど。

この怒濤の流れに倫也が思わず手を挙げた瞬間。

 

「どーぞどーぞ!」

 

やりおった……。

もうさ、この迷いの無さすごいよね。

各方面からいつ訴えられても仕方がない勢いで各所にネタが仕込まれてる。

 

この流れの中で、母親への愛憎入り交じった複雑な感情を持て余し、憤り、そして涙する倫也、というよりは鯛造くんに驚くんだよ。

鯛造くんこのわちゃわちゃの中で、きっちり倫也の苦しい内面保ち続けて、お母さんと仲直りする時ぼろぼろに泣いてるからね。

 

そして前回同様に、さあ大団円に向かっていきますよという素敵な感じのエンディングが始まるんです。

エンディングの中で、浜子が声を立てて笑う瞬間、倫也が笑う。

光と音楽溢れる中。

「お母さん、かえろ」

倫也が浜子に手を差し伸べる。

もうこれをハッピーエンドと言わずしてなんと言おう。

この、ホンキートンクを訪れた人は最後、何かしらの幸せを手にして帰るというお約束が私は大好きだ。

ホンキートンク、心底行きたい。癒されたい。

 

 

今回は泣くところまでは行かなかったなあ、と思ったラスト。

倫也と浜子を見送った翔が呟く。

「父さん。今日だけは少しだけ泣いていいですか」

 

泣いた。

 

子供みたいな顔して泣く翔見て泣いたよ。

ばかああああ。

誰か、早く翔のこと幸せにしてあげて。

政秀さんもうお父さんになったげてよ!!!

翔のお母さんどこにいるんだよおおお。

 

今回も翔に振り回されたわ。

しかし、これで次回への予習は完璧だ。

次のサブタイトルが~キセキ~。

奇跡なのか軌跡なのか。

とにかくね、私は翔が心底幸せになって、心の底からの笑顔を見せてくれることを切に願っています。

今度は、この世界を生観劇できるんだと今から楽しみで仕方ないわ。

 

 

そう言えば、DVDにはちょっとした特典映像がついているんですが、

ペダステの舞台裏とかを見慣れていたので、若手俳優の皆が、この面々の中でわりとおとなしくお行儀良い感じにしていたのが新鮮で、ふふっと笑ってしまった。

ペダステは本当に同年代ばっかりのノリで、ここは大人の方がたくさんいるから、ちょっと別の顔なんだなーと。